第26回地域防災フォーラムが3月20日(土曜)に会場の対面とオンラインの併用により開催され、会場には23人、オンラインでは61人の参加がありました。
基調講演において、津久井進弁護士は東日本大震災などの災害をふりかえりながら、近年の感染症(コロナ)拡大も災害の一つとみなせるものであり、被災者一人ひとりの過去、現在、未来という連続性を考慮すること、多様性を否定するような平準化の流れは人権の回復、維持を阻害することが懸念されるなどの指摘が行われ、個々の状況を把握、支援計画を作成し、対応する災害ケースマネジメントの発想が大切であると強調されました。
また、岩手医科大学の眞瀬教授は、東日本大震災や台風10号の災害対応事例などを紹介し、災害時の限られた人的、物的資源の中で命を救うためには指揮や連携などが重要であること、コーディネーター等人材育成が不可欠であることなどを述べられました。
パネルディスカッションでは、基調講演者のお二人と神戸大学の金子教授、岩手大学地域防災研究センターの松岡教授、南教授により「災害時における被災者の生活環境・支援体制について考える」をテーマとして話し合われました。
このディスカッションでは、発災から復興までの連続性を見据えること、発災、応急対応、復旧・復興と変化していく状況へ対応できる共時性、長期間にわたり被災者支援が行える担い手(伴走者)が求められること、DMATのような明確な目的の下、関係者が連携することは被災者支援全般にも重要であること、複合災害を発端とした(また複合災害に備えた)地域におけるイノベーションの必要性、被災者自身の関与など主体性を担保し、「待たされた」、「関われなかった」感覚を軽減することにより被災者が納得できるようになるなど活発な議論が行われました。