岩手県消防学校が主催する平成27年度消防団員幹部教育指揮幹部科分団指揮課程で,地域防災訓練センター(柳川竜一特任助教,菊池義浩特任助教,佐藤悦子特任助教)が担当して災害対応図上訓練を行いました。訓練は、岩手県内の市町村で活動する消防団から参加した56名を対象に、8コ班に分けてクロスロードと避難所運営HUGの講義と実習を行うというものです.
はじめに,柳川竜一特任助教が災害対応クロスロードを紹介し,その後,実習を行いました.クロスロードゲームは,文部科学省の支援を受けて阪神淡路大震災の経験をもとに開発されたカードゲームで,災害現場で直面する,判断の難しい場面での対応について,現場の当事者として判断を下し,YESかNOのカードで自分の判断結果を示します.その後,それぞれの判断に至った理由を議論し,判断の難しさを実感するとともに,よりよい防災体制について話し合う糸口とします.自らの安全と他者の救助の優先順位に関する問題が出題されるなど,消防団として活動している参加者にとって身近な問題が出題され,判断結果に関する意見交換では,白熱した議論が交わされました.
次に,佐藤悦子特任助教の解説と進行で,避難所HUGを体験しました.HUGは静岡県で開発された災害ゲームで,参加者は,次々に避難してくる年齢,性別,国籍の異なる住民や,時間経過とともに発生するイベントに対応して避難所を運営します.様々な状況への対応を疑似体験することで,避難所運営に必要な配慮や準備状況の確認ができ,各地で防災訓練に取り入れられています.ゲーム終了後に,各班で判断に困った場面について発表し,どのように対応したか,またその理由について意見交換を行いました.
クロスロード,HUGともに,活発な意見交換が行われ,地域でもゲームを使って訓練を行いたいという声も聞かれました.
開催日時: | 平成27年12月18日(金)13:10-17:00 |
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開催場所: | 岩手県消防学校(岩手県矢巾町)(参加者約56名) |
プログラム:
時間割(地域防災研究センター担当部分):
13:10-15:00 災害対応クロスロード 解説とゲーム進行(担当:柳川竜一)
15:10-17:10 避難所運営ゲームHUG(担当:佐藤悦子)
地域防災研究センターからの参加者
松林・柳川(自然災害解析部門),菊池(防災まちづくり部門),佐藤(災害文化部門)