プログラムの目的
岩手の豊かな自然環境の保全や地球規模での環境問題の克服には、地域主導・ボトムアップ型での環境問題に対する実践的な活動が不可欠です。また、自然が豊かであることは自然災害の危険性が大きいことでもあり、どのように防災・減災対策をするか、また、防災意識を持続するかを考えることは、自らの身を守り、また、地域の安心・安全を考える上で大切であります。
本プログラムでは、地域防災や環境問題、社会インフラの重要性を自治体・企業・地域コミュニティなどへ伝え、そこでの活動を牽引するまちづくりリーダーを育成することを目的としています。
プログラムの内容
本プログラムには、自然環境にやさしいインフラ整備・まちづくりに関する科目、防災・減災対策や啓蒙活動に役立つ防災関連科目、持続可能な地域づくりやエコ活動のためになる環境関連科目からなっています。
講習内容例
(防災分野)
地球科学 | 地球の内部構造、プレート運動などについて説明・解説し、自然災害およびその防災に関連する基礎的な地球科学の知識の習得を行う。 |
火山 | 火山噴火の特徴と火山防災の概要を説明する。 |
地震 | 地震被害、地震メカニズム、地震動、地震ハザードなどを解説する。 |
土砂災害 | 地盤に関する基礎問題の解説及び地すべり、斜面崩壊、クリープ、崩落、土石流について説明する。 |
水災害 | 洪水や津波などの水災害について、これらの発生メカニズム、その特性、過去の被害事例を解説する。 |
地域における防災対策 | 町内会や自主防災組織など地域で取り組む防災対策・対応等を紹介し、地域防災力の向上について解説する。 |
復興まちづくり | 災害発生後の長期間にわたる復旧・復興過程でどのようなことが起きるのか、また、まちづくりについて考慮すべき点を過去の災害事例や東日本大震災における復興まちづくりの現状から学ぶ。 |
災害文化 | 集落を単位とした地域における生産と生活の営みを維持するために人々が積み重ねてきた経験知について学ぶ。 |
図上訓練(DIGなど) | 訓練の実習を通じ、そのノウハウを学ぶとともに、個人としての災害対応力を向上させる。 |
(環境分野)
地球温暖化 | 地球温暖化問題の基礎知識、温暖化対策の取り組み事例などを解説する。 |
大気環境 | 大気汚染の基礎知識、発生メカニズム、現状問題について解説する。 |
河川環境 | 河川における水質指標と環境基準の意味と意義や河川環境の成り立ち、河川の自浄作用、多自然川づくりについて学ぶ。 |
河川調査 | 中津川において流量や各種水質の測定を行い、水生昆虫を採取し、その同定法を学ぶ。 |
土壌環境 | 土壌汚染の現状と土壌汚染の対策技術について説明する。 |
廃棄物 | 廃棄物とは何かから、廃棄物処理・リサイクルの現状について説明する。 |
(インフラ分野)
岩手のまちづくり・盛岡まち歩き | 盛岡の都市形成と岩手・東北の国土開発について説明する。その後、盛岡中心部のまち歩きを行いながら都市盛岡の現状を解説する。 |
メンテナンス工学 | LCCの取り扱いやメンテナンスサイクルなどの考え方などを解説する。 |
施設維持管理工学 | コンクリート構造物の劣化機構を説明する。 |
トンネル工学 | 岩盤分類の仕組み、山岳トンネルの設計・施工およびトンネルの変状とその対策について説明する。 |
地域の交通 | 地域生活を支える交通の現状や課題等について、事例を交えながら解説する。 |
実施体制
講師名簿(2024年度)
本プログラムには、岩手大学を中心とした教員が、皆様の学習をサポートしています。
岩手大学理工学部 専任教員 | 伊藤 歩 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 大河原 正文 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 大西 弘志 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 小笠原 敏記 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 小山田 哲也 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 齊藤 貢 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 南 正昭 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 石川 奈緒 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 岡田 真介 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 鴨志田 直人 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 谷本 真佑 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 山本 英和 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 杉本 悠真 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 晴山 渉 |
岩手大学理工学部 専任教員 | 松林 由里子 |
岩手大学地域防災研究センター 専任教員 | 福留 邦洋 |
岩手大学地域防災研究センター 専任教員 | 坂口 奈央 |
岩手大学地域防災研究センター 客員教員 | 越谷 信 |
岩手大学理工学部技術部 技術職員 | 笹本 誠 |
岩手大学理工学部技術部 技術職員 | 齊藤 剛 |
岩手大学理工学部技術部 技術職員 | 鳴海 貴之 |
岩手大学理工学部技術部 技術職員 | 中村 大樹 |
岩手大学理工学部技術部 技術職員 | 竹花 和浩 |
学外連携機関(2024年度)
本事業は、下記の学外機関と連携しながら、継続している事業です。
国土交通省岩手河川国道事務所 |
国土交通省北上川ダム統合管理事務所 |
岩手県 県土整備部 |
岩手県教育委員会 |
岩手県 環境生活部 |
岩手県 復興防災部防災課 |
盛岡市 環境部 |
盛岡市 総務部危機管理防災課 |
資格授与
本プログラムを全て受講された方には、修了証を授与します。また、自らの学外での活動を活動報告書としてまとめ、リーダーとして十分であると認められた場合、「まちづくりリーダー」の認定証を授与します。※本プログラムは、令和6年3月に文部科学省の履修証明プログラムに認定されたため、学校教育法第105条に基づく履修証明書(修了証および認定証)を岩手大学が授与します。