『⽣き続ける震災遺構―三陸の⼈びとの⽣活史より』が、2026年5月23日に開催された「第19回地域社会学会賞授賞式」において奨励賞を受賞しました。
本書は、「東日本大震災から 10 年以上にわたる観察と生活史調査」による「三陸の人びと」の「震災遺構」の「捉え方」の「動的プロセス」の事例研究です。外部からの「震災遺構」というまなざし、それに対して、この地に生き続けていこうとする人びとにとって、旧役場庁舎や観光船はまゆりが持つ意味、そこでのズレを内包しつつ、「三陸の人びと」の「震災遺構」をめぐる「語り方の変容」と「地域固有の語りの意味」に着目し、「三陸に生きる人びとの生活者の観点から見た「震災遺構」について問い直しました。
本のつくりとしては、事例研究の深さが問われるタイプの著作ですが、第 1 章で、「遺構」の英語表記(remain, ruin, heritage)の確認、「構」と「記憶」への着目など、「遺産化」「防災・教訓」化にともなう問題、「プロセス」への着目、「変態する意味」「生成」の視点、「生の問い直し」など、着眼点として見るべきものがあり、また「遺構」が、住民にとって「ゴミ」でも「文化遺産」「教訓」でもなく、「問い直し」の「余白」と「時間」から考えようとした点などが高く評価され、今回の受賞に至りました。
◇受賞歴
2025.9 第51回 藤⽥賞 奨励賞受賞
2026.5 第19回 地域社会学会賞 奨励賞受賞
◇書誌情報
坂口奈央『⽣き続ける震災遺構―三陸の⼈びとの⽣活史より』ナカニシヤ出版,2025年.


