能登町小木×大槌町 復興女子会開催(坂口奈央 准教授)

東日本大震災で被災した三陸の地域、大槌町安渡地区と赤浜地区、そして能登地震で今、復興に向けた途上にある石川県能登町小木地区同士が交流を重ね、復興に向けた地域の課題についてともに考え、悩みながら、地域コミュニティ再構築への方途とする「復興姉妹地区」プロジェクト。昨年7月から回を重ね、今回で7回目となります。前回3月に小木公民館で実施した車座トークの中で出た課題の一つに、女性たち=生活者の視点からみた小木地区の今後について、女性たちが思いを共有し、語らう場が欲しいという提案を受けて、「復興女子会」を実施しました。

大槌町からは4名が参加、能登町小木地区からは、小中学生も含めて20名ほどが参加しました。今回の特徴は、女性同士で、小木地区を代表する「イカ」を使った互いの漁村に伝わる郷土食をともに作り、食し、語らう場です。参加者からは、女性による住民組織、婦人会活動に対する旧来のイメージにとらわれない、自由で闊達で、かつ年会費500円!という実情などが吐露され、「それならば今度顔を出してみようか」という女性も現れました。また、現在小木の人たちにとって気がかりになっているのが、今年3月に閉校となった旧小木中学校の建物の行方です。現在どのような状況にあるのか、「~らしい」という噂話が飛び交い、復興に向けた不安材料の一つとしての意識が高まっています。

小木地区では公費解体はほぼ完了し、港周辺を中心に、残った家と解体された家が混在した、少し寂しさを感じる風景が広がるものの、白湾ラボという若い世代を中心とした復興に向けた住民組織の動きを軸に、小木で旧来から実施してきた地区イベントの復活が相次いでいます。白湾ラボの特徴は、復興に向けた新しい動きを重視するのではなく、既存の住民組織を動かしつつ、防災教育を学んできた20代を地域コミュニティ活動に巻き込んでいくという、ダイナミックな動きを実践しているところにあります。こうした動きを、いかに復興へ、地域コミュニティ再構築につなげていけるか、今後も当プロジェクトを介して、ともに試行錯誤を重ねながら、小さな歩を積み重ねていきたいと思います。

なお当企画は、「トヨタ財団2022年度 国内助成プログラム」(いわて防人リーダーBANK(防災の学び・交流の場)プロジェクト)の助成を受けて実施しました。

開催日時: 令和7年7月21日(月)
開催場所: 小木公民館

小木✕大槌 復興女子