地域住民が復興への日々を振り返る震災復興記録誌「只越に生きる 震災からの復興 記憶と記録」が発刊されました(坂口奈央准教授:災害文化)

気仙沼市只越地区の高台移転エリアに居住する皆さんとともに、震災前、震災時、震災後の混沌とした日々を振り返り、その時に出た声をもとにまとめた復興記録誌「只越に生きる 震災からの復興 記憶と記録」を作成、発刊しました。東日本大震災発災からまもなく14年、あの日からの日々で学んだこと、反省したこと、改めて気づいた只越で生きる意味について、時間が経過した今だからこそ語り合い、記憶を記録として確かな足跡として残すべく、当企画が始まりました。近年、全国各地で毎年のように地震や津波、水害など大規模災害が発生しています。災害によって地域の脆弱性が加速するといわれますが、地域で生活してきた人々の間に構築されてきた関係性をもとに築かれる価値観や規範は、間違いなく地域としての回復力として顕在化します。そんな只越地区の変遷を、住民自らが問い直した復興記録誌です。また、今後災害が起きた時、地域としての見通しや対処などに役立つような復興への参考書となるよう、まとめました。
ぜひ、多くの皆様に見ていただくとともに、各地域の復興への問い直しの契機として、また居住地域の価値を再発見できるきっかけになれば幸いです。
(冊子は、SUNTORY「東北サンさんプロジェクト 第3期みらいチャレンジプログラム」の助成を受けて発刊されました)