紫波総合高等学校は、これまでに防災担当教諭が防災・危機管理エキスパート講座に参加し、授業を通して高校生を対象としたHUG(避難所運営ゲーム)を実施してきましたが、今回は教職員12名を対象にHUG研修が行われました。地域防災研究センターからは、柳川特任助教が、研修運営補助とゲームの詳細解説、講評を行いました。
災害シナリオは、真冬のお昼頃に発生した大地震でインフラがすべて不通、午後~夕刻にかけて被災者が避難所である小学校に次々と集まるという設定で、内陸型災害としては最悪のシナリオを想定しました。2グループに分けて実施したゲームでは、同じ内容だったにもかかわらず「避難者の受け入れ体制や方針をしっかり決めてから慎重に振り分けるAグループ」と、「とにかく迅速な判断で避難者を受け入れるBグループ」とで結果が全く異なりました。
Aグループは厳しい寒さの中で待たされる可能性が考えられるものの、避難者がこれからも続々やってくることを想定すると、避難者の場所移動を極力減らし長期的な避難所運営には適していると考えられました。Bグループは大まかなルールを決め、主な避難所である体育館以外の教室や特別教室を積極的に利用することにより、様々な事情や問題を抱えている人達をなるべくストレスなく受け入れるのに適しているようですが、避難者がより増えれば場所移動や振り分けルールの改変も必要かもしれません。どちらも一長一短がありますが、各グループとも方針に沿った迅速な対応がとれたと感じました。
大規模災害が発生したとき、学校施設は避難所として設置される機会が多くなります。避難所運営の中核を担う可能性が高い教職員が、日頃から避難所運営訓練を通して知識や経験を養うことは、本番でのスムーズな避難所の運営管理には有益となります。また、学校の先生に限らず、地域住民が避難所運営訓練を通して最低限の知識や避難所運営体験することにより地域防災力向上に繋がることが期待されます。
開催日時: | 2016年2月10日 14時00分~16時00分 |
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開催場所: | 紫波総合高等学校会議室 |
地域防災研究センターからの参加者
地域防災研究センターからの参加者:柳川(自然災害解析部門)