災害文化の一つとして人の自然認識を取り上げた地域防災フォーラム「自然と共生する人間~多様な自然観と災害文化」を開催しました。復興を進める上で当該地域が培ってきた自然観を無視するわけにはいきません。
第1部の被災地の実践と調査についてでは、3名の登壇者から具体的な当該地域の課題や復興に向けての方向性が語られ、「自然観」の多様性が示されました。
第2部の講演では、沖縄や奄美に残る「ゆいむん」の考え方が日本各地の地名や使用されている言葉の分析から、広く日本各地に残る自然観として紹介され、多様性を貫くものとして、自然と人間の密接な繋がりにふれることができました。
第3部では、第1部、第2部の発表者が聴講者の質問に答える形で討論が展開されました。大きな問題として、防潮堤の問題といかに警鐘を鳴らし続けることができるかが論じられ、最後にキーワードとして、畠山氏から「人材育成」、山崎氏から「地域を知ること」、大棒氏から「検証すること」、堀氏から「見えないものを見ること」を挙げていただき、フォーラムを終了しました。
日時:2014年1月30日 14時45分~18時10分
場所:岩手大学復興祈念銀河ホール
内容
<第1部 発表 被災地の調査・実践から>
「防災の町田老」の風景としての防潮堤と震災復興
大棒秀一(NPO法人立ち上がるぞ!宮古市田老理事長、宮古市田老在住)
「海」から見た神社の立地と防災
山崎 憲治(元岩手大学教授)
「 森は海の恋人」と震災復興
畠山 信(NPO法人「森は海の恋人」副理事長、
NPO法人Peace Nature Lab副理事長、気仙沼市唐桑西舞根在住)
<第2部 講演>
「自然認識の多様性を考える~さんご礁地域からアフリカまで」
堀 信行(奈良大学教授、文化庁文化審議会専門委員)
<第3部 討論>
災害と自然認識~復興を支える自然観の再構築を求めて
ディスカッサント:大棒秀一、山崎憲治、畠山信、堀信行
司会:山崎友子(岩手大学教授)
開会の挨拶をする堺センター長
田老について語る大棒秀一氏(左写真) 検証の大切さを語る大棒氏(右写真)
山崎憲治氏(左写真) 神社の立地と防災について語る山崎氏(右写真)
講演する畠山信氏(左写真) 海の回復力について語る畠山氏(右写真)
講演する堀信行氏(左写真) 沖縄の海辺での儀式を説明する堀氏(右写真)