中大連携防災授業の実施~宮古市立田老第一中学校における岩手大学との合同授業「津波の実際から防災を考える」

岩手大学共通教育科目「津波の実際から防災を考える」(主担当:山崎憲治)の現地学習として、宮古市田老第一中学校で中学校と大学の連携授業を実施しました。
岩手大学の受講生12名は、大学の講義で災害の特質について学び、当日は、田老地区の防浪堤の上に立ち被害の様子を自分の目で見た後、合同授業にのぞみました。生徒の約7割が家屋の流失等の被害を受けている田老第一中学校からは、全校生徒(131名)が参加しました。
授業は3部構成でした。

 

第一部:堺センター長による津波のメカニズムについての講義
津波についての解説の後、田老地区の防潮堤がどのような役割を果たしたかについてデータをもとに説明し、質問を受けました。
第二部:グループ・デイスカッション
大学生がリーダーとなり震災時の体験をもとに「私達にできる防災の工夫」をテーマに話し合いました(1グループ約12名)。
第三部:発表
各グループが話し合った内容をまとめて、中学生が発表しました。その後、田老第一中学校校長による講評と閉会の挨拶を行い、終了しました。
グループ・デイスカッションは非常に活発で、発表も短時間であるにも関わらず立派にまとめられました。中学生は巧みに意見を引き出す大学生のリードによって体験を客観的にとらえる機会を得ることができ、大学生は重い体験を話す中学生から災害を実践的に学ぶことができました。中学生・大学生が津波を科学的にとらえ、防災の可能性を明確にすることができました。災害文化の学習が中大連携授業により実現でき、このような実践が重要であることを改めて認識することになりました。
日時:2012年9月28日
場所:宮古市立田老第一中学校体育館
地域防災研究センターからの参加者:堺(センター長)、松林・柳川(自然災害解析部門)、山崎(災害文化研究部門)
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堺センター長による津波の解説
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グループワーク(各中学生のグループに大学生が1人ずつ加わる)の様子
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各グループ毎の発表会